Last Update:02/05/17
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  大学生協 事故成長・就職提案情報誌
  GO!2002
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21世紀の社会は、自らが創造的で革新的な課題を探しだし、それを実現することができる人材を求めています。そのために、高知大学では「学生が自分で育っていくシステム」の構築を図ってきています。その1つが、全国初のS・O・Sという学内外の高度情報化支援を目的とした大学公認の自立的学生組織の設立です。この学生集団の目標は、単にPCの能力を高めることではありません。
 
本学が2000年に行った上場企業対象の調査から、企業が採用時に重視するのは「コミュニケーション」「プレゼンテーション」「文書作成」「論理的思考」「幅広い教養」であることが判明しました。この「5大能力」を学生スタッフの自由な発想によるさまざまなボランティア活動を通じて修得していこうというのも当組織の1つの狙いとなっています。
 
S・O・Sスタッフは大学が課す2段階の試験をパスして初めてなれるものです。しかしその後は、S・O・Sが掲げる使命にもとづきスタッフ自身が課題を探し出し、その実現に必要な取り組み方法を自ら考えること が活動の基本となっています。これからの大学教育は、このような挑戦の試行錯誤によって発展していくと考えています。
 
高知大学 人文学部教授
池田 啓実 さん

 
S・0・Sの活動を通じて自分の行動も変化し見方や考え方、意見も変化する。
 
大学の高度情報化を支援することを目的として設立された学生ボランティア組織であるS・O・S(Students' Organizatione for Self-help and official support)で、プロジェクトチーフとして活躍する池辺さんに、その活動についてお話しいただきました。
 
S・O・Sは2000年10月に発足した学生が主幹運営しているボランティア組織です。活動内容には、学内ではパソコンのトラブルサポートやアプリケーションの講習会の開催、学外では地域社会の情報リテラシーの育成に貢献できるようなプロジェクトの企画運営があります。
 
参加するには認定試験の合格が必要で、私は3回生の4月に合格しました。動機は、正直なところ仲の良い友達が受けるということと、S・O・Sに入ればパソコンのノウハウやコミュニケーション能力が向上し、就職活動にとってきっと有利になると思ったことです。
 
現在私は、「田野町交流プロジェクト」のチーフとして関わっています。S・O・Sに参加して間もない6月に、大学から60km離れた田野町の小中学校の先生方や教育委員会の方と「情報教育」について意見交流する機会がありました。その時、小学校の授業参観したり、子ども達と一緒に草むしりをしました。すごく楽しくて、この子たちと一緒に勉強したり遊んだりしたいなあと思ったのがプロジェクトを企画し、チーフとして積極的に関わるきっかけになりました。
 
一般には、「パソコンを使えるようになること=情報教育」だと考えられがちですが、違うのではないか?と私は考えていました。パソコンは「情報リテラシー」のための1つの道具に過ぎないのに、その普及がもてはやされ、人と人が触れ合うことが軽んじられている気がしたのです。就職活動でも、インターネットからのエントリー方式を採用し、従来まであった「企業訪問」を廃止する企業もあります。本当にこれでいいのかな?人と人が直接会って交流することには、きっと何か大事なことがあるはずだ思っていました。
 
田野町の子どもたちや先生方との交流の中でその大事なものを見つけていこうというのがプロジェクトの目的です。高知大学と田野町との3年計画の連携プロジェクトとして、月1回の頻度で足を運んでいます。
 
具体的な活動としては、パソコンを使った授業でわからない子どもに教えたり、先生に全体の状況を合図したりするバックサポート。逆にプロジェクトスタッフが先生役になって、先生方や他のプロジェクトスタッフがサポートするといった具合です。例えば、6年生の「運動会のポスターづくり」では、私が講師としてMS-WORDを指導しました。子ども達はパソコンを使って自分の作品を仕上げたのです。今、高知大の2回生への引きつざもあり、活動の総括をしているところです。田野町小学校とプロジェクトスタッフとの信頼関係という「土台作り」はできたと思います。その点で、これまでは学校の先生からの要望に応えることが活動の中心でした。これからはプロジェクトスタッフから学校に向けてどんどん提案をしていって欲しいと思っています。
 
S・O・Sでの活動を通して分かったことがあります。大切なのは自分の考えをみんなに自分の言葉で表現することだということです。チーフとして活動する中で、いろいろな人(友達、先生、地域の人など)、意見と向き合ってきましむ何度もカルチャーショック(?)的な状況に置かれました。しかし、やりとりをしていくうちに、これが大事なんだと思ったのです。将来の就職のためという視点で今の活動を位置づけるのはおかしくて、活動する過程で何を考えたか、トラブルに直面した時どう対応し解決したカか、これまでの自分の見方や意見がどう変わったかが大切だと思うのです。自分が変われた。見方に幅ができ、人的ネットワークもすこく広がって、それがとてもうれしいのです。
 
高知大学人文学部社会経済学科3年
池辺 梢 さん

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