高知市の大学生・りんたろうさん 300部自費出版、無料配布 高知市の恥ずかしがりやの大学生、りんたろうさん(二二)が、生まれて初めての詩集「はみだし者の詩(うた)」をこっそり出版しました。 りんたろうさんによると「これは単なる詩(ポエム)ではなく、いつも□ずさめる歌(ソング)でもなく、クソッタレどもの心の詩(うた)」なのだそうです。 詩集は一ページごとに短い詩と自筆のイラスト。思いのほか、乱暴な言葉遣いです。 <雨が降りゅうき楽しくない、だと!!じゃカエルにでもなるんだな> <パンからジャムがはみでている・・・やっかいなもんだ邪魔者だ・・・ま、これが俺達(たち)アウトサイダーの詩。そんなもんさ> おおおー、ワイルド。 アウトローの詩は怖いですう。 <リモコン・・・手が届くほど遠い距離から指先で物を操るもの・・・却下(捨でろ!!)> あれれ。テレビのリモコンに怒ってますな。 <小石につまづいて転ぶ・・・人間はとっても弱いんです・・・でも100円を拾った・・・そう僕達はとっても欲深いのです> はあ、しみじみと。実はりんたろうさんは気弱でシャイで料理好きな自称アウトローなのです。 高知市内のアパート。ドアを開けると、鼻孔にぷーんとカレーのにおい。近所の美容室であてた"爆発おばちゃんパーマ"のりんたろうさんが、夜通し煮込んだカレーの味見をしている。 大学進学で岡山から高知へ。四年間いつもヒマだった。 弁当屋でバイトしたり、毎回同じ居酒屋で友人と同じ話を何回もしたり、部屋でしちりんを使ってカニを食したり、断酒を誓ったり。要するにだらだらしていた。 「周りのみんなは留学とかいろいろして、僕も何かしたいなあ」と思うようになる。 シャイなりんたろうさんは、酔っぱらっているときに、友だちに書きためていた詩をこそっと見せては喜んでいた。 昨年ついに、自作の詩と適当にかいた「落書き程度」のイラストをまとめバイトでためた三十万円をはたいて自費出版。 思い切って"はみ出した一歩"が、この詩集だったわけですな。 三百部をつくり、一年がかりで百八十部を友人らに配り終えるという順調さ。恥ずかしがりやさんの作品だけに「読んでいる方も恥ずかしい」と大変好評のようです。 四年間みっちり、人文学部の「国際社会コミュニケーション学科」で勉強。今春、無事卒業し、大阪の調理師専門学校へ入る予定だそうです。 動機は「ふと料理人を目指したくなった」ようで、「いつか自分の店を高知に開いてやるぜ!」だそうです。 今後もますます、はみだしっぷりに磨きをかけてほしいものですね。 |