Last Update:02/09/28

「国のため天下のためちからおつくしおり申し候」

「文久三年(1863年)三月二十日 坂本乙女宛て」手紙より


さてもさても人間の一世(ひとよ)は、がてんの行ぬは元よりの事、

運の悪いものは風呂よリいでんとして、きんたまをつめわりて死ぬるものもあり。

それと<らべては私などは、運がつよく、なにほど死ぬる場ヘでても死なれず

自分で死のうと思ふても又生きねばならん事になり、

今にては日本第一の人物 勝憐太郎殿という人に弟子になり、

日々兼ねて思いつく所をせいといたしおり申候。

其故に私、年四十歳になるころまでは、うちには帰えらんよふにいたし申つもりにて、

兄さんにも相談いたし候所、このごろは大きに御機嫌よろしくなり、そのお許しがいで申候。

国のため天下のためちからおつ<しおり申候。

どうぞおんよろこびねがいあげ、かしこ。

三月廿日                 龍

乙様

御つきあいの人にも、極御心安き人には内々御見せ、かしこ。


本を今一度せんたくいたし申候 左の本より。ひらがなは若干漢字に改めています。

「日本を今一度せんたくいたし申候 龍馬が「手紙」で伝えたかったこと」
木村幸比古 著
祥伝社
定価 1600円

 

依光感想
 
この手紙を姉の乙女ねえやんに書いている龍馬は29歳です。

29歳の龍馬が、天下のために頑張っていますと手紙を書く。

こういう気分は、現代にあっては特別とされるのでしょうか?

一生懸命に生き、頑張っている姿を人にも誇れる。

ことの大小には関係なく、本当に素晴らしいと思います。

 
 
 
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