「国のため天下のためちからおつくしおり申し候」「文久三年(1863年)三月二十日 坂本乙女宛て」手紙より
さてもさても人間の一世(ひとよ)は、がてんの行ぬは元よりの事、 運の悪いものは風呂よリいでんとして、きんたまをつめわりて死ぬるものもあり。 それと<らべては私などは、運がつよく、なにほど死ぬる場ヘでても死なれず 自分で死のうと思ふても又生きねばならん事になり、 今にては日本第一の人物 勝憐太郎殿という人に弟子になり、 日々兼ねて思いつく所をせいといたしおり申候。 其故に私、年四十歳になるころまでは、うちには帰えらんよふにいたし申つもりにて、 兄さんにも相談いたし候所、このごろは大きに御機嫌よろしくなり、そのお許しがいで申候。 国のため天下のためちからおつ<しおり申候。 どうぞおんよろこびねがいあげ、かしこ。 三月廿日 龍 乙様 御つきあいの人にも、極御心安き人には内々御見せ、かしこ。
左の本より。ひらがなは若干漢字に改めています。
「日本を今一度せんたくいたし申候 龍馬が「手紙」で伝えたかったこと」 |
依光感想 この手紙を姉の乙女ねえやんに書いている龍馬は29歳です。 29歳の龍馬が、天下のために頑張っていますと手紙を書く。 こういう気分は、現代にあっては特別とされるのでしょうか? 一生懸命に生き、頑張っている姿を人にも誇れる。 ことの大小には関係なく、本当に素晴らしいと思います。
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