百点満点のビリ
小学校の運動会
一年生の走りっこは50メートル
スタート係りの先生の
赤い旗がふられるたびに
お父さんやお母さん達の喚声が
山間(やまあい)の校庭にわきあがる
「わあ!! うちの太郎は一着!!」
「うちの花子はニ着だ!!」
一着だ、ニ着だ、と
順位をつけるのは大人達
つまり、自分では走らない傍観者
走っている当事者−−−
子供達は
大人のつける順位などは
全く意識にない
ただひたすら走るだけ
いのちいっぱいに走るだけ
いのちいっぱいに走ることが
尊いのだ
いのちいっぱいに走ることでは
みんな百点満点なのだ
一着二着の順位はあるけど
一着も百点満点
二着も百点満点
そして−−−
百点満点のビリなのだ
お釈迦さまはいいました
「すべての人間は
みんな仏さまの子だ」と
一人一人の人間には
それぞれに能力の差はあるけれど
いのちの尊さは同じだからです
どんな人のいのちでも
平等に百点満点に
尊いからです
しあわせは いつも
文化出版局
1.650円(税別)